口座って要するに銀行の中に金庫を作るってこと

昔から人付き合いが苦手で、どこかのグループに所属するというのがあまり好きではない。だからアルバイトを長く続けるというのは生活面ではとても重要にも関わらず、実際には私にとって苦痛が多いことである。まず長くアルバイトを続けると、誰それとは合うけれど、誰それとは合わないということが起きてくる。そうすると誰それと同じシフトに入っているときはいいけれど、誰それと一緒のときはやりづらいという事態になる。誰でも多少なりともこういうことはあるのかもしれないけれど、私の場合はそれが一大事になってしまうので、合わない誰それと一緒のときは前日から眠れなくなるほど緊張してしまうのだ。

そういうわけで、私は日雇いのバイトをすることにした。日雇い派遣に登録しているので、「こことここが空いてます」と連絡すると、その日に仕事があれば割り振られることになる。グループに所属することは苦手だが、その日限りしか会わない人に対する接客は、自分でも不思議なのだけど苦痛に感じないので、私には合っているようだ。今までデパートの試食品コーナーや、競馬場の入口ゲートなど、様々な場所でバイトを経験してきた。私の勤務状況はちゃんとしているので、登録先からも重宝されているらしく、仕事には事欠かない。

このスタイルでずっと働ければいいなと思っているのだが、問題がただ一つ。日雇い派遣だからなのかその会社のスタイルだからなのかはわからないけれど、給料が手渡しであるということだ。金銭管理にズボラな私は家に帰るともらった給料をそのまま机に押し込んでいる。防犯的には絶対によろしくないんだろう。銀行に口座を作るか金庫を買うかで悩んだけれど、銀行口座って要するに銀行の中に金庫を作るってことだ。うーーんとしばらく考えた私は、結局金庫を買うことにした。これならATMに行かなくても、いつでも現金を引き出せるのでズボラな私にぴったりなのであった。